【保存版】こんな漫画編集部はヤバい!

お役立ち情報

やったー!漫画編集部から漫画を書かないかってスカウトが来た!
条件のことはよくわからないけど、漫画を書いてお金がもらえるなんて夢のようだ!

漫画家志望者、新人漫画家に絶対に知っておいてもらいたい、ヤバイ漫画編集部の特徴をお伝えします。

正直、東雲は漫画家に転身するときにこの情報を知らず、大失敗しました。
これから漫画業界に足を踏み入れる人たちには、同じ失敗をしてもらいたくないので、裏の裏まで包み隠さずに書きます。

なお、東雲は電子コミック作家なので、基本的に電子コミックについての知識がメインです。
紙漫画の契約条件とは異なる場合がありますので、ご了承ください。

ヤバい漫画編集部の特徴

いきなり本題ですが、こんな編集部は地雷です。

  • 原稿料が低い
  • 印税がない/低い
  • 印税支払いに条件がある
  • 消費税が内税
  • 連絡が遅い

それぞれについて、詳しく説明します。

漫画家の原稿料について

漫画家の原稿料はピンキリ…というほどでもなく、大体の相場が決まっています。
超大御所であっても1ページ数万円程度で、それほど高いわけではありません。

ちなみに東雲の場合は1ページ9000円ほどです。

さて、未経験の方やデビューしたての方はどの程度の金額を最低限の目安にすべきなのか?という問題ですが、個人的には5000円を目安にするのが良いかと思います。

5000円はどちらかというと低い金額ですが、全く実績のない作家が最初から高額な原稿料や印税をもらうのは難しいです。

初めての商業漫画で、1ページあたり5000円という条件を提示されたら、とりあえずは原稿料の面でクリアしたと思ってもよいかと。

逆に5000円以下を提示してきたら…その編集部は地雷ポイント1を獲得!
原稿料の低さだけで地雷だと決めつけるのは早いので、とりあえず次は印税条件でのジャッジに移ります。

漫画家の印税について

誰もが憧れる夢の印税生活。とはいうものの、実際印税ってどのくらいもらえるものなのでしょうか?

印税についてはかなり幅があります。印税の契約で失敗してしまうと地獄へ真っ逆さまなので、ここは慎重に進めましょう。

漫画、特に電子コミックの印税条件は基本的に2種類のどちらかで提示されます。

  • 社入金の〇%
  • 販売価格の〇%

そもそも印税がない(買い切りとも言う)契約は論外なので、もし印税なしの条件を提示されたら基本的に断ってください。

どうしても生活に困っていて、原稿料だけでも喉から手が出るほど欲しいという場合は止めませんが、まぁ…やめておいた方がいいと思うよ…。

「社入金」ってなに?

「社入金」とは、電子書籍配信サイト(めちゃコミックやレンタ!など)から売り上げとして編集部に入金される金額のこと。

実はというか当然と言うか、配信サイトで売れた売り上げの全てが編集部に入るわけではありません。

配信サイトも当然、電子書籍をお客さんに販売するためのシステム維持費や、広告費、漫画データの編集作業などにお金が必要ですから、売り上げから取り分をもらって利益にしています。

その取り分を引いた金額を編集部に支払っています。それを編集部は「社入金」と呼んでいます。

よって「社入金の〇%」とは「配信サイトでの売り上げから配信サイトの取り分を引き、自社に入金された金額の〇%を印税として作家に支払います」という意味です。

「販売価格」ってなに?

「販売価格」はそのままで、1話100円で販売している作品は100円が販売価格になります。

よって、「販売価格の〇%」とは「1話〇円で販売した場合、1DLされるごとに〇円の〇%を印税として作家に支払います」という意味です。

結局どっちがいいの?

社入金と販売価格のどっちをベースに印税をもらうべきなのかはすぐにわかりますよね。
当然、販売価格ベースです。

ですが、世の中には社入金ベースの契約がゴロゴロ転がっています。特に最近乱立している新興編集部は社入金ベースがほとんどだと思います。

逆に誰でも知ってるような大手出版社は、販売価格ベースを提示してくることが多いです。

全く実績のない状態で、初めての商業漫画の場合は社入金ベースでの提示が多いと思います。

原稿料の消費税について

漫画家になるまで知らなかったのですが、原稿料にも消費税がかかります。
原稿料に対して編集部が消費税を払うのですが、編集部によって外税か内税かが変わってきます。

何が違うの?と思われるかもしれませんが、自分が買い物するときのことを考えてみてください。

100円の商品を買う時に、外税の場合は「110円」払いますよね。
内税の場合は100円の商品価格に10円の消費税が含まれているため「100円」を払います。

では、1枚5000円で原稿を書いた場合はどうなるのでしょうか。
外税の場合、5000円+500円(消費税)=5500円もらえます。
内税の場合、5000円に消費税が含まれているため、5000円もらえます。

1ページで500円の差が出ました。1話24ページで納品したとすると、差額は12000円に!

当然、編集部としては少しでも節約するために内税で契約したがります。
しかしよく考えてみれば、商品を作る側である漫画家が消費税を負担させられるっておかしいですよね?(消費税の転嫁と言います)

商品を買い取る側が負担しなくてはならないのが消費税です。もちろん、原稿料は税込み●●円でと納得して契約するのであれば問題ありません。

しかし、1枚5000円の原稿料・内税での契約をした場合、原稿料は実質4500円であるということは理解しておいてください。

これまで10社以上の編集部とやりとりしてきましたが、内税・外税は3:7くらいでした。外税の編集部は「消費税は当然外税です」という感じでしっかりと提示してきます。

内税の編集部はこちらから聞くまで教えてくれませんでした。聞くと「すみません、うち内税なんです…」という感じ。(けっこうな老舗編集部でもありました)

ただ、内税であるからとその編集部が悪だと決めつけるのは早いです。その他の条件がものすごく良い場合もありますし、条件全体で判断するのが肝心です。

なお、これらの消費税の転嫁に関する調査が税務署から送られて来ることがあります。もし、不当な消費税の転嫁を受けている場合はきちんと調査に回答しましょう。

参考までに公正取引委員会の資料のページを置いておきます。原稿料についての記載もありますよ。

>>消費税の転嫁拒否に関する主な違反事例

漫画編集部の担当について

漫画家にとって、頼れる存在の担当。この担当者の存在は良くも悪くも非常に大きく、担当者との相性は漫画家にとって生死を分けると言っても過言ではありません。

どれだけ面白い漫画を書ける漫画家でも、担当との相性が悪いと実力を発揮できないものです。

パワハラ・モラハラ気質な担当もいますし、漫画家がメンタルを病んで筆を折ることも珍しいことではありません。

できれば、執筆契約を結ぶ前に一度対面で担当と会うことをおすすめします。しかしコロナ禍の今の時期は対面で会うことが難しいですし、地方の方は物理的な距離があって難しい。

会うことが難しければ、少なくとも電話くらいはしたほうが良いです。電話が苦手でも、今後長い付き合いになることを考えれば苦手だとは言っていられません。(自分も電話嫌いなので気持ちはすごくわかるのですが)

実際に話してみて少しでも「ん?」と思う発言や態度があったら、一度立ち止まってよく考えることが大切です。担当との相性は本当に重要なので。

連絡が遅い担当

担当との相性にも共通しますが、やたらと連絡の遅い編集部や担当も危険です。

自分の経験談ですが、月間連載なのに担当からの連絡が1週間以上来ないことが続きました。

どんな小さな連絡に対しても短くて数日、下手すると2週間も音沙汰なしが珍しくなく、当然作業時間が無くなります。そんな状態で月間連載…本当に地獄でした。

担当も一人で何作品も担当しており、多忙な方も多くいます。しかし、どうしても返信に時間がかかるなら、いつごろ返事ができるかは早めに知らせるのがマナーでしょう。

連絡の早い遅いも、編集部を選ぶうえでの判断材料になります。

おわりに

こんな編集部はヤバい!といういくつかの特徴についてお話ししました。
これから漫画家を目指す方、編集部からスカウトの声がかかった方は参考にしてもらえると嬉しいです。

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