「鬼滅の刃、言うほど面白くない」←ここで終わったら漫画家失格です

漫画家志望者
漫画家志望者

最近「鬼滅の刃」流行ってるみたいだから読んだけど、言うほど面白くなくね?俺ならもっと面白い漫画かけるよ。

全世代に人気の漫画・アニメといえば「ワンピース」や最近だと「鬼滅の刃」があります。
その人気ぶりは誰でも一度は目にしたり、聞いたりしたことがあるはずです。

でも、実際に「ワンピース」や「鬼滅の刃」を読んでみたけど思ったほど面白くない。なんでこれがそんなに人気あるの?と思った人もいるはず。

しかし、将来漫画家になりたい漫画家志望者や、現役漫画家が「面白くない」で終わってしまってはいけません。理由を解説します。

人気があるものには理由がある

当然のことですが、人気のあるものには「人気がでるだけの理由」があります。
確かに、全く人気の無い商品をステマ行為で大人気のように見せかけることはあるので、その辺の見極めは必要ですが。

でも今回例に出した「ワンピース」や「鬼滅の刃」についての人気は、疑うところはありませんよね。

ワンピは長年有名企業のCMにも多く使われているし、鬼滅もコミックスがバカ売れしててどこの本屋も品薄。
新刊発売日にはコロナの真っ只中だというのに本屋に行列ができた、という話題が全国ニュースにもなりました。

「読んでみたけど面白くない」で終わってしまってはダメ。なぜその作品は人気があるのか?を検証することが大切です。

人気の理由を探る

では、具体的に「人気の理由の探り方」をお話しします。

まずは自分で考える

まずは自分で「その作品の長所」を考えてみます。どんなに面白くなかったにしても、ひとつくらいは長所が浮かぶはずです。

  • キャラがいい
  • 作画がいい
  • ストーリーがいい

代表的なのはこのへんでしょうか。

もっと深く探るとしたら「この部分の演出がいい」とか「視線誘導がうまいな」とか色々とテクニック的な感想も出てくると思いますが、これはちょっとプロ向けですね。

漫画家志望者ならここまで深く考えなくても、まずは「キャラがいいな」「ストーリーがいいな」「絵が上手いな」程度でも大丈夫。

まずは「自分で感じたその作品の良さ」を大切にしましょう。

他人の感想を調べる

次に、自分以外の人の感想を調べます。

方法は簡単、作品名やキャラ名でググるだけ。それだけでその作品に対する世間の感想は大量に出てきます。便利な時代ですね~。

他にも、Amazonのレビューや電子書籍の配信サイトのレビューを見るのもアリです。

この時に意識したいのが「一般人の感想」と「オタクの感想」の違いです。
(もちろん、一般人とオタクの感想で被っている部分も多いですが)

一般人の作品への感想と、オタクの作品への感想は少し違います。たぶん、なんとなくわかってもらえると思いますが…。

オタクには大人気だけど一般人にはそうでもない、という作品ありますよね。
オタクはストーリーはもちろんですが、キャラ萌えが激しいので、キャラがいいと人気が出やすいです。尖ったキャラはオタクに好まれやすいです。

一般人はストーリー重視で後からキャラ萌えが付いてくる感じ…(※東雲調べ)
あまりにも尖ったキャラはそんなに受け入れられないような…(※東雲調べ)

一般人的な感想か、オタク的な感想か、自分の書きたい漫画のスタイルに合ったほうの感想を取り入れていきます。

一般に広く人気のある漫画を作りたいなら一般人の感想を、オタクに深~く愛される漫画を作りたいならオタクの感想を参考にしましょう。
もちろん、両方を上手に組み合わせられれば最強です。

できれば他人の「生の声」を聞く

ネットだけで調査を終了してもいいのですが、可能なら他人の「生の声」を聞きたいところです。

ワンピースや鬼滅の刃レベルの人気になると、周りにその作品を好きな人が誰かは見つかると思うので、直接「どこが面白いのか」「どこが好きなのか」を聞くチャンスは逃さないようにしましょう。

東雲の場合は、通っている整体の先生とよく漫画の話をします。
整体の先生も鬼滅の刃にハマってると知ったので、具体的にどこが面白いと思うのかを聞いています。

  • その作品のどこに惹かれたのか
  • ストーリーのどんなところが好きなのか
  • どのキャラが好きなのか
  • そのキャラのどんなところが好きなのか
  • 印象に残っているシーンは

自分の好きなものの話をしたがらない人はあまりいません。なので質問するとけっこうノリノリで語ってくれたりしますよ。

家族や友人はもちろんですが、クラスメイトや同僚、行きつけの店の顔なじみの店員などとも話せる機会はあります。

おすすめは美容室です。
美容師は施術中にお客さんと話す話題を探しています。こちらから話題を振ると高確率でその話題を膨らませてくれるので、他人の意見を聞きたいときは助かります。
美容師には漫画好きな人もけっこう多いですしね!

「最近面白い漫画探してるんですけど知りませんか?」と話題を振って、「鬼滅の刃って人気ですよね~読んだことあります?」などと話を持っていけば、色々と情報が引き出せるかも。

人気の作品を自分の漫画に活かす

これまで、人気の作品の理由を探ってきました。でもここで終わってはいけない。大事なのはここからです。

これまでに探った人気の理由を、自分の漫画に活かすのが最大の目的です。

「鬼滅の刃が流行ってるから僕も鬼退治の漫画書こ~っと!妹が鬼に襲われて鬼になるんだけど、一緒に戦ってくれて~…」

これではだめです。単なるパクリで終わってしまいます。

あくまでも自分が書こうと思っている(書いている)漫画に、他の作品の人気の要素を加えるのです。

例えば、自分の漫画に「泣ける要素」を加えたいなと思っているなら、ワンピースや鬼滅の刃の「泣ける」と言われている人気のあるシーンの要素を加えます。

  • なぜそのシーンが泣けるのか
  • キャラがどんな行動をしたから泣けるのか
  • そのシーンがあった結果、他のキャラにどんな影響があったのか

あるキャラが自分の力では絶対に勝てない強敵と、あきらめずに戦う

その結果瀕死の重傷を負う

駆けつけた主人公と最後の会話をする

主人公は死んでしまったキャラの最後の言葉を何度も思い出し、強敵に勝つ

王道はこんなパターンでしょうか。きっとワンピースや鬼滅の刃にも同じようなシーンがあるはず。そのシーンに、他の人はどんな感想を持っているのか?をしっかり研究します。

「最後の〇〇ってセリフが刺さる」「その後の決戦のシーンで主人公が〇〇のセリフを思い出して頑張るのが泣ける」など色々な感想があるはずなので、

  • こういうセリフが刺さるのか!
  • こういう行動が泣けるのか!
  • キャラが死んだ後も、主人公や仲間に精神的に大きな影響があると泣けるのか!

などなど、たくさんの気付きがあると思います。その気付きを自分の漫画のストーリーやキャラクターに活かします。

まとめ

  • 人気のあるモノには人気が出る理由がある
  • 他人の感想を積極的に聞く
  • 自分の作品に活かせる要素を常に探す

世間で人気のあるモノに対して「自分は良いと思わない。だって〇〇だし」と斜に構える自分カッケェ…みたいな気持ち、わかります。

でも漫画家やイラストレーターなどのクリエイターがそれではダメ。

東雲もたまに「なんでこの作品が売れてるんだろうな」と思うことは正直ありますが、そこから少しでも自分の作品に活かせる要素はないか?と常に考えるようにしています。

みなさんも漫画やアニメを見たら「これ面白いな」「これ面白くないな」という感想だけで終わらず、自分の作品の糧になる部分を常に探すクセをつけましょう。

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